ライトの建築

帝国ホテル

200の客室総てが中庭を望む、3階建て2万平方メートルの建物が当初の計画でした。渡辺譲の帝国ホテルを補う新しい帝国ホテルは、外国からの訪問客に快適さを提供し、日本の美の伝統を伝えることを目的としていました。

1922年の北棟完成後すぐに、ホテルは広告通り東洋の神秘と絶賛されました。フランク・ロイド・ライトが入念に創りあげた空間構成に、ホテルを訪れる誰もが新しい世界へ誘い込まれ、驚きと喜びを見い出しました。

1923年9月1日には、南棟が完成し、245室の客室を持つ3万3千平方メートルを超える帝国ホテルが完成しました。その記念となる日に関東大震災が起き、多くの建物が崩壊しました。さらに大火災が各地の被害を大きくしました。帝国ホテルは、前庭に設けられたプールからのバケツリレーで火災の延焼を免れました。

 

この建物の一部は、1985年、愛知県犬山市の明治村に移設され、今も、その美しさを伝えています。


(KM)