ライトの系譜

土浦 亀城、信夫妻
土浦亀城(つちうら かめき 1897-1996)

茨城県水戸市に生まれる。東京帝国大学建築学科に在学中、先輩である遠藤新の紹介で工事中の帝国ホテルを訪れ、フランク・ロイド・ライトに出会った。現場を手伝うようになった土浦は大学を卒業した1年後の1923年4月、信夫人とともに渡米し、当時ウェスト・ハリウッドのハーパー通りにあったライトの事務所に勤務した。翌年ウィスコンシン州タリアセンに移り、1925年秋まで勤めたのち、1926年1月に帰国した。

ライトの事務所では、4つのコンクリート・ブロックの住宅や、Doheny Ranch、Lake Tahoe Summer Colony、National Insurance Company Building、Gordon Strong Automobile Objectiveなどの計画に携わった。

帰国後、株式会社大倉土木に勤務し、1934年に土浦亀城建築事務所として独立した。以後、日本における国際様式のリーダー的存在として、1969年に事務所を閉鎖するまで多数の作品を残した。

住宅作品としては、自邸2件を含めた初期の木造乾式構造の小住宅がよく知られている。

主な作品

1931年 トクダビル
1935年 野々宮アパート
1935年 土浦亀城邸
1938年 強羅ホテル
1954年 国際観光会館

(AT)