ライトの系譜

遠藤楽(えんどう らく) (1927-2003)

羽仁もと子、吉一氏が創設し、フランク・ロイド・ライトの右腕と呼ばれた父、遠藤新が多くを設計した自由学園南沢キャンパスで学んだ建築家。

1940年代後半、遠藤楽は、目白ケ丘教会などの設計・施工を通して、父、遠藤新に建築を学んだ。父の死後、タリアセンでフランク・ロイド・ライトに学ぶことを望み、1957年、渡米。楽は、フランク・ロイド・ライトの最後の日本人アプレンティスとなり、自然界に対する観察と思考の方法を学び、1958年に帰国。

帰国後は、生涯の師となったライトに学んだ建築思想を基盤に、住宅や自由学園の校舎、講堂、図書館、教会、事務所建築など300を超える建物の設計を行った。

ライトの著作『ライトの住宅』やオルギバナ・ライトの著作『ライトの生涯』の翻訳、ライトの建築を訪ねる米国へのツアーを通じて、ライトを日本人にわかりやすく紹介した。フランク・ロイド・ライト財団と日本の窓口としての役割を担ったほか、帝国ホテルライト館の保存運動や自由学園明日館の保存運動で活躍。2000年、フランク・ロイド・ライト建築保存協会からライトスピリッツ賞を受賞。

主な作品
1961年 てんぷら天一
1963年 婦人之友社
1966年 自由学園記念図書館
1981年 自由学園記念講堂
1991年 滝野川教会